被災者の皆様には心のケアが大切。国・地方自治体・日本損害保険協会などの災害支援情報をまとめました。
台風19号の豪雨。川の氾濫による被害などから、命からがら逃れた方々も多く、10月21日現在、11都道府県の避難者総数は4千人弱と報道されています。
大きな不安を抱えた避難生活。軽度の水害で自宅に戻られた方も、保険会社への連絡、家屋の乾燥・清掃・消毒など住宅破損の手当てで心休まる間もなくストレスにさらされています。心からお見舞いを申し上げます。
台風19号の記録的な集中豪雨
神奈川県箱根町では、10月12日の1日の降水量が、平年の10月月間降水量(334.3mm)の約3倍にあたる、942.5ミリに達したそうです。なんと・・
1日に3ヶ月分の雨が降ったことになります。
1日の降雨量としては、観測史上、全国最大の雨量でした。
都道府県,市町村,地点(ヨミ)24時間降水量(mm),年月日,時分 神奈川県,足柄下郡箱根町,箱根(ハコネ),942.5,2019/10/12,21:00
出典:気象庁ホームページ
被害にあわれた家屋と避難者の統計
消防庁災害対策本部が発表した令和元年10月22日、7:30時点の数字『令和元年台風第19号及び前線による大雨による被害及び消防機関等の対応状況(第21報)』によると、建物の被害が合計
- 住宅の全壊 172棟
- 住宅半壊 1,455棟
- 住宅一部破損 3,138棟
- 床上浸水 29,428棟
- 床上浸水 32,981棟
浸水家屋は62,409棟と、これまでのNHKや朝日新聞の統計値を遥かに上回っています。
令和元年 10 月 21 日14 時 00 分 現 在、非 常 災 害 対 策 本 部が発表した『令和元年台風第 19 号に係る被害状況等について(速報)』によると、11都県139カ所の避難所で3,961人の方々が、避難生活を余儀なくされています。
台風19号の被害からの再建には
台風19号の被害は、集中豪雨による河川の氾濫、堤防の崩壊により、浸水・家屋損壊などの被害件数が多く、広範に広がっています。4千人近い避難者の皆さまだけではなく、自宅に戻られ、復旧作業を始めたご家族も、どこから手をつけていいものか、大きな不安を抱えています。
日常生活の再建にむけ必要なプロセスをまとめてみました。
心のケア
意識して、深い呼吸を心がける
被災後数ヶ月間は、衝撃があまりに大きく、心身に大きな影響が現れます。まるで、パニック障害の様に、心拍数が高まり、呼吸が荒くなり、睡眠障害を招く方もいらっしゃいます。
生活再建に対する不安や恐怖心が膨らみ、感情を抑えきれずに、イライラしたり、涙を流したり。そんなご自身を、どうぞ、批判なさいませんように。今、とても、辛い状態にあるのですから。
ただ、辛い思考の連鎖に囚われてしまうと、感情が大きくブレ、心がおちこみ、健康面へのダメージも深めてしまいます。できれば、無理のないストレッチ体操などで体をほぐし、深い呼吸を心がけてください。
機会がありましたら、遠慮したり、躊躇することなく、心理療法ボランティアの方に安心して相談する事をお勧めいたします。
日常生活復旧に向けての作業は助けをかりましょう
この時期は、ものごとを合理的に考えることが出来ません。くれぐれも、全てをご自分でやろうというご無理はなさいませんように。
日常生活を取り戻すための作業、何から始めれば良いのか。焦燥感から、ストレスが限界に達する危険もあります。なんでも自分でやろうという無理はせず、友人・知人の知恵と手をかりましょう。
ご自宅の災害ゴミの整理・搬出・清掃・消毒などは、地方自治体の福祉課などに助けを求めてください。多くの自治体が災害ボランティア派遣など、お手伝いをしてくださるボランティアセンターを設置しています。
地方自治体・国の災害支援制度
金融面での支援策を探る作業が必要となります。居住地の地方自治体による支援金がありますので、是非、お問い合わせください。
また、国からの災害補助金制度として、内閣府が発表している平成30年11月1日現在の『被災者支援に関する各種制度の概要』があります。このパンフレットには、
- 住宅再建支援金(全壊で最大300万円)の支給、
- 生活再建に必要な資金の貸付(最大350万円)、
- 住宅ローン債務整理支援:破産手続など法的手続によらず、債務の免除等。
被災者の皆様の生活再建を支援するため、日本国からの各種の支援制度が明記されていますので、是非、参考になさってください。
罹災証明書って何?
その申請に際し、市町村等が発行する罹災証明書が必要となります。
災害後、清掃する前に家財の被害状況・壁に残った浸水ライン・室内の写真を携帯で記録に残す様に。詳細は、市町村にお問い合わせください。
保険会社さんへの連絡・保険金支払い手続き
加入している火災保険が、風水害の被害に適用されるか、契約保険会社や共済の窓口、取扱代理店に、保険証書を紛失しても、契約者名と住所で問合わせることができます。
被災により、契約していた保険会社の手がかりを失った時には、災害救助法適用地域にお住まいであれば、日本損害保険協会で契約の照会が可能だそうです。
<自然災害等損保契約照会センター>
フリーダイヤル:0120-501331
※受付時間:9時15分~17時00分(土・日・祝日および12月30日~1月4日を除く)
災害救助法が適用された地域で、家屋等の損壊・流失等により損害保険会社との保険契約に関する手掛かりを失ったお客様についての契約照会を受け付けます。原則として、被災された方(ご本人)、被災された方(ご本人)の親族(配偶者・親・子・兄弟姉妹)からのご照会に限ります。 引用元:日本損保保険会社教会 ニュースリリース
火災保険の申請・交渉は専門家にお任せしたい
被害を受けたショックと、生活再生に対する大きな不安とストレスを抱えていらっしゃいます。合理的思考で、契約内容を理解し、保険会社と交渉する心のゆとりを求めるのは無理です。その様な時に、強い味方になってくれるのが、全国建物診断サービス。豊富な実績を持つ火災保険に関する非営利団体です。
災害救助法が適用外の地域で、家屋の部分損傷や床下浸水の場合には、全国建物診断サービスに交渉をお任せすることも一つの方法です。無料相談がありますので、詳細と連絡先のリンクを貼っておきます。
まとめ
被災を逃れた私達にできることがあります。
個々人、それぞれの状況があります。無理をせずに、させていただけることがあったら、幸せですね。
令和元年台風19号被害への支援金
安心して支援金を送れる団体が日本財団、台風19号被災地の復旧活動に直ぐに使っていただける支援金です。
ボランティアとして支援
地域別ボランティア募集状況(11月1日現在)は、社会福祉法人 全国社会福祉協議会地域福祉部/全国ボランティア・市民活動振興センターのホームページからご覧いただけます。
最後に、台風19号で亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた皆様に謹んでお見舞いを申し上げます。
被災者の皆様、復旧作業に従事されている皆様のご安全とご健康、一刻も早い復旧と復興をお祈りしております。